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ファンタシースターユニバース SEGAの名作RPGファンタシースターの名前を冠するオンラインゲーム 追加ディスクであるイルミナスの野望で更なる進化を遂げる マルチプラットフォームであるが、箱○のみは別鯖となっている 詳細 ジャンル:RPG 機種:PC、XBOX360、PS2 人数:1~6人 プレイ時間:10分~ 価格:5040円(PC、PS2版イルミナスの野望の価格) 持ってる人
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スペシャルディスクに新たに追加された要素 音楽変更 幻想郷の各施設のBGMや戦闘BGMの差し替え。プラスディスクまでのBGMが気に入っていれば、阿求の家で戻すことも可能。 立ち絵差し替え機能 戦闘場面や、イベントでの立ち絵を変更することが可能になった。 レベル上げシステムの改善 プラスディスクまでは1レベルずつ上げて、その都度レベルボーナスを決定するため一度に多くのレベルを上げるときに手間がかかった。スペシャルディスクではキャラ選択→上キーで上げるレベルの量を決定→上げた分のレベルボーナスを割り振るとなった。その他レベル上げの際の特殊な操作は以下の通り。 ●レベル上げる量を決定する際、右キーで、「現在の経験値で上げられるレベル+1」まで一気に増やせる。多くのレベルを上げるときは、上キー押しっぱなしよりも、右キー→下キーを1回でレベルを上げるのが早い。 ●レベルボーナスを割り振る際、Aキー押しっぱなし+左右キーでボーナスを10振り、Sキー押しっぱで+左右キーで残りボーナス全割り振り。公式HPには押しっぱなしと書いてあるが、左右キーも押す必要があるので注意。 装備品の売却が可能になった 2個以上所持している装備品を1個になるまで阿求の家でスキルポイントと交換できるようになった。得られるスキルポイントは装備品によって違い、1個交換するたびに得られるスキルポイントが10%ずつ上昇していく。 データベースが見られる アイテムリスト、敵データベース(ドロップ率もあり)、スペルデータベース、キャラクターの原画・落書き(一部製作者様コメント入り)が入ったデータベースが追加されている。 敵出現率を200%にできる マップ上でMキーを押すと、敵出現率が200%になる。当然一歩歩けば即敵と戦える。レベル上げに便利。ただし、敵と遭遇するごとに敵出現率は0%に戻るので、1回1回押す必要がある。 スペルエフェクトスキップバグの解消。 プラスディスクver2.06bでスペルエフェクトをスキップした際、敵及び味方のスペルの挙動等が一部おかしくなるバグがあったが、それが解消された。 解消されていないと思われるバグ ●2周目以降引継ぎの際、スキルレベルを引き継がないと橙、美鈴、チルノ、穣子、妖夢、アリス、ルーミア、リグル、文、衣玖、小町、諏訪子、にとり、藍、鈴仙、永琳、天子に最初から経験値が入っている。
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ラノで読む 【danger zone 七夕特別編 ~Milkyway NINJA~】 最初にあの人に会った時、あの人は空を飛んでいた。 わたしの生まれ育った黒姫の藜里《あかざざと》、その麓にある廃校で、ラルヴァと呼ばれる、人を殺す生き物に囲まれ、襲われたわたしの元に、空からやってきた。 昔わたしが通っていた、今は廃墟となった小学校、わたしは高校受験の勉強に疲れると、よく廃校まで散歩にきた。 空を飛ぶラルヴァ、後になり、それと深く係わる生活をするようになってから知った、飛行型ビーストラルヴァ、麒麟。 ビールのラベルに描いてある、そのまんまの姿、動物園のキリンとはぜんぜん似てない動物が、生きて動いて、空を飛び、人を喰う。 あの人は、麒麟に腕の肉を食われ、脇腹を抉られ、廃校の中庭に追い詰められたわたしの所にやってきた、空からやってきた。 窓を厚い板で塞いだ校舎の壁に、四方を囲まれた中庭、空からやってくるラルヴァに、食べられてしまう寸前だったわたし。 あの人は、壁しか無い校舎の中庭、四階建ての校舎の屋上から、何一つためらうことなく、わたしの所に飛び降りてきた。 わたしを襲うために、急降下してきたラルヴァを、落ちる速さで追い抜くと、中庭に積んだ草の上に落ち、そのまま起き上がってラルヴァに襲いかかった。 人間を襲うラルヴァを襲う人間、麒麟は反転し、飛んでバケモノから逃げようとした、あの人はわたしを少し見ると、麒麟を追って飛び上がった。 空を飛ぶラルヴァを追って、木を昇り壁を蹴り窓枠に噛み付き、校舎の屋根まで登ると、高く高く飛び上がり、そして銀色の銃で、麒麟を撃ち墜とした。 飛べない人間が、飛べるラルヴァを追いかけて飛び、人を殺すラルヴァを、あの人は殺した、死ぬ運命のわたしを生かしてくれた。 麒麟に追われ、腕や足を怪我したわたしを助けてくれたあの人が、麒麟を倒し、わたしの所に落ちて来て、最初に言った一言は今でも覚えてる。 「なんだ、生きてるのかよ、面倒ね」 あの後、あの人は面倒だ面倒だといいながら、わたしを救急車に乗せてくれた、わたしはヘリコプターで遠くの病院に連れていかれた。 病院で怪我の手当てを受けるわたしの所に、ある学校のえらいひとだというおばさんがやってきて、わたしに言った。 あなたには、私の学校に入る才能と適性があるという、今日のラルヴァのことを忘れ、その学校の事も忘れ、元の生活に戻るか、 それとも、能力を持った人間がラルヴァを研究し、ラルヴァと戦う、そのおばさんの学校に行くのか、それはわたしの自由だという わたしは、骨まで食われて治療の長引いた、腕の怪我を治すため、松本の病院に通院しながら、ラルヴァに襲われる以前からの予定通り、 黒姫藜里《くろひめあかざざと》の家を出て、受験で合格した静岡の高専に入学した。 「醒徒会風紀委員、第七小隊 サポート委員 飯綱百《いづな もも》、以上で巡回報告を終了します」 「ご苦労さ~ん、モモ、あんた凄いわね、風紀委員の仕事も報告も、一度もサボってないじゃない、ねぇアイス」 「一週間に十日サボってるような奴はデンジャーだけだ、百《もも》を見習え、あと、会長のおやつを盗るな、御鈴がまた泣いてたぞ」 わたしは今、双葉学園に居る。 わたしは、あの人に憧れ、あの人になりたくて、双葉学園への入学を決めた、一度入学した高専を捨て、故郷を捨て、大事なものを全部捨ててきた。 「では、これから第七小隊は、学生に酒類を提供しているという通報のあったバーの、取り締まりに着手したいと思います」 「よし、モモ、ちょっと待て、店をブっ潰す前に、ツケを払ってくるから」 あの時わたしを助けてくれた、空からやってきて、空を飛んでラルヴァを墜とした、あの人は、風紀委員会に、居たり居なかったりする。 放課後の夕暮れ、双葉学園の二年生、風紀委員となったわたしは、海を見ていた。 双葉学園に入ったわたしは、学園の治安を守り、対ラルヴァの精鋭部隊でもある風紀委員、その一員になるという、狭き門を通過した。 学園の内外で異能者を取り締まり、ラルヴァとの戦いでも最前線に立つ、生徒の中では最も高い権限を持つ風紀委員。 異能と身体能力の、腕に覚えのある何人もの生徒が参加を希望し、合格者は50人にひとり、と言われる、風紀委員審査。 風紀委員の間では「歓迎パーティー」と呼ばれている、風紀委員長や生徒課長の立案する独特の異能者選別方法は、毎回違っていて、 わたしが聞いた話では、まず書類審査に合格した風紀委員希望者は、毎回違う面接室に、校内放送で呼び出される。 ノックして入ると、部屋の中は真っ暗、一応、部屋の周囲を自分の目で調べる前にノックした生徒は、不合格。 暗い部屋、声だけが聞こえる、座って質問に答えるように指示され、暗闇の中で椅子を探して腰掛け、闇の中、面接官の姿を探しながら待つ。 「バン、はい死んだ」 いつのまにか、椅子の後ろに立っていた風紀委員長が、面接を待つ生徒に銃を突きつけ、不合格を告知する。 そして、本当に撃つ。 落伍者の多くは病院送り、合格した人間の半分が、その後の訓練で叩き落される、そんな風紀委員への道を、わたしは運よく通過した。 わたしの面接は、他の人から聞いた内容と少し違っていた、風紀委員になろうと思い委員会室に行ったら、もう書類の準備が出来ていて、サインをしただけで面接合格。 撃たれることなく面接を通過した候補者に課せられる、異能の力より、それを使う人間の体と頭を極限まで絞る、風紀委員研修。 異能者の悪事と、そして強力なラルヴァと戦う、鋼の異能者を作り上げる訓練は主にあの人が、風紀委員長の山口さんが担当した。 「ラルヴァを人間の劣位種と考え、ボクちんの強力な異能で無双ヒャッハーしたいと思ってる奴は、実戦に出たら5分と生きられないと思え。 向こうは死ぬ気で来るんだ、パラメータの数字なんてすぐに5~6個飛ぶ、それがわからず仲間を危険に晒す奴は、ラルヴァに殺される前に、あたしが殺す」 わたしは運よく面接に合格し、訓練を修了した、風紀委員第七小隊に加わったわたしに出来ることなんて、そんなにない。 わたしが生まれてすぐの頃からやっている武術、黒姫のわたしの家に伝わる、武術の大会には出られない、御留流の業。 戸隠流忍術。 委員長の山口さんが持っているデリンジャーや、もう一人の委員長の逢洲等華さんが持っている二振りの太刀に比べれば、 あまりにも小さく非力な、わたしの小太刀や、クナイ、寸鉄、鉄菱、手裏剣、そして、委員長二人の強さには遠く及ばない、忍の体術。 金の行を以って根源の河を塞き止める。 わたしの家に伝わる忍術、その秘伝、異能者の根源力と、異能の発動を、鉄の忍具を撃ちこんで、停止凍結させる術。 異能の力もまた、水流る河と同じ"流れ"、その流れに鉄を打ち込むことで、流れを止める、どんな強力な異能でも、停止に例外は無い。 ラルヴァと戦うための異能を、人に向ける禁忌の力、わたしが学んだ忍術と同じく、余所者には伝えぬ秘術だったけど、 わたしが生まれる少し前、ラルヴァと異能者が急に増えて以来、掟は崩れ、わたしの実家は、子供に忍術を教える教室になった。 忍術は広まり、わたしひとりが継承した異能は忘れ去られる、両親も、わたしの一族の忍び頭である祖母も、そう望んだ。 あの時、空を飛んでわたしを助けてくれた、双葉学園醒徒会直属の風紀委員長、山口・デリンジャー・慧海さんは言った。 「モモを選んだ理由?そりゃオッパイだろ、こんなでっかいオッパイを拝みながら毎日仕事出来るだけで、あたしは幸せよ」と、 委員長がわたしを選んでくれた、本当の理由は知っていた、わたしの異能のことを誰よりも深く知ってくれた山口さんが、 生徒課長にかけあってくれたからだということは、後で教えてもらった、そして、もう一人の委員長も、私を認めてくれた。 「異能者の暴走は、ラルヴァよりも危険だ、それを抑止する風紀委員に敗北は許されない、そのため、飯綱殿、ぜひ貴君の力をお貸し願いたい、 …それに…その発育のいい身体は…その…私は…好きだ…もしパイタ~っチ!とかさせてくれれば、もっと好きになるかもしれぬ…」 双葉学園の風紀を維持し、人々の安寧を守るには、このとても強いけどヘンテコな風紀委員長に替わり、わたしたち風紀委員が頑張らなくてはいけない わたしの、168cmの背と88Dの胸、忍術の邪魔になる体は、今のところ、恩人である風紀委員長ふたりにも触らせてない。 わたしは、海を見ていた。 人工島と埋立地に囲まれ、狭苦しく区切られた海にも、海の無い黒姫にはなかった潮風が吹き、わたしの黒く短い髪をなぶった。 わたしが東京湾に浮かぶ人工島の学校、双葉学園に来てから、少しの時間が経った。 高専から双葉学園への、突然の転校、表向きの理由は、わたしがダメモトで受けた、奨学金制の国立学園、双葉学園への編入試験に合格したという体裁。 学費無料で、普通高校には及ばないまでも、わたしがそれまで行っていた高専より、幾分就職しやすいという双葉学園に合格した事を、 両親は喜んでくれて、衣食住無料で、補助金という小遣いまで出る双葉学園に通うこととなった私に、仕送りまでしてくれる。 たとえ異能の存在を知ってる親にも、異能をもってラルヴァと戦う、この双葉学園の本当の姿を、わたしが口にしたならば、 わたしも家族もどこかに連れていかれることは、曖昧な言い回しで説明された。 誰にも言ってはいけない、異能のこと、ラルヴァのこと、親にも友達にも、どんなに、大切な人にも。 わたしが黒姫藜里《くろひめあかざざと》の故郷を出て、静岡の高専に、後に双葉学園へと編入するときの、ただひとつの心残り。 たかちゃん、と、いう人が居た、わたしが生まれた長野の黒姫で、ずっと戸隠忍術を一緒に修行していた、家族よりも近いひと。 小学生の時から、ずっと一緒に遊んだ友達、彼氏なんて恥ずかしいものじゃないと思う、でも、小学生の時も、中学に入ってからも、 たかちゃんとはいつも一緒だった、わたしがある時、キスをしたくなって、たかちゃんに頼んだら、たかちゃんはキスをしてくれた。 たかちゃんとするキスは、とっても幸せで、たかちゃんとキスできれば、彼氏なんていらないと思った。 そして中学を卒業し、わたしは静岡の高専へ、たかちゃんは、忍術の最強を証明するために、東京の武術学校に行ってしまった。 たかちゃんやわたしの、直接会ったことのない兄弟子筋に当たる、戸隠流忍術の達人、スティーブ・ジェナム。 ホイス・グレイシーも出場した第三回アルティメットに優勝し、第四回でも善戦しながら、本業の警察署長の仕事が多忙となっため、引退したニンジャ。 ジェナムの跡を継ぎ、忍術で空手やボクシングに勝ちたいという、たかちゃんの夢、そのために東京の、武道を学ぶ高校に行ってしまった 忍術は人と闘うだけのものじゃない、山河と草花を知り、道具や機械を知り、異能を知り、鉄を知る、それが忍び、だからわたしは、技術を学べる高専に入った。 たかちゃんと会えない、高専の生活に、意外と早く馴染んでいく自分がイヤだった、やることが多くなり、たくさんのしがらみが絡みつく。 わたしの記憶からたかちゃんを奪う、高専が嫌いだった、だから、わたしは異能を認められた後、双葉学園への編入を決めた。 生まれ育った黒姫藜里《くろひめあかざざと》から、遠く引き離された静岡の高専での、しなきゃいけないこと、色々ないやなことから逃げるためじゃない。 たかちゃんのことを、忘れるために。 双葉学園の岸壁で、わたしは海を見ていた、高専とあまり変わらなかった学生生活、でも、なんだか、イヤじゃない気分。 あの時わたしを助けてくれた風紀委員長との、風紀委員の仕事は、疲れるけども、まるで藜《あかざ》の里に居た時のような、修行の日々。 異能を以って罪を犯した生徒に、小太刀やクナイ、手裏剣を撃ちこんで異能の河を止め、他の風紀委員が捕縛するのを助ける。 ラルヴァには役立たずだと思ってた忍術、でも、ラルヴァを動かしているのも異能、わたしが根源の河を止めれば、 他の生徒が普通の格闘や武器でラルヴァを倒す手伝いが出来る、人を傷つけることしか出来ないと思っていた、忍術の新しい力。 異能者でもラルヴァでも、誰に対しても無敵の山口さんは、わたしを実戦の場に蹴り込むことで、わたしの可能性を教えてくれた。 わたしは岸壁から海を見ていた、人工島と湾岸の埋立地に挟まれた、狭い海の向こう、東京の灯りが遠くに見える。 風紀委員になったら頭に叩き込まれる、学園の地理情報では、2kmほどの海を挟んだ向こう側には、お台場の埋立地がある。 たかちゃんは、東京都が新設した武術専門高校に行った、戦前の武専を再建すべく、お台場に設立した全寮制の武道、スポーツ学校。 忍術で世界に勝つ、わたしにも話してなかった夢のために、藜《あかざ》の里を出て、わたしを置いて、東京の学校まで行ってしまった。 わたしは海の向こうを見ていて、ずっと忘れてた、たかちゃんのことを思い出して、少しいやな気持ちになった。 人工島の陽は暮れ、夏の残り日がどんどん陰り、浄化装置で10年まえよりずっと綺麗になった、青い海はだんだん暗い色になる。 双葉学園の灯りと、向こう岸の灯りが、暗い海に反射して、銀色にキラキラと光った、まるで、天の川みたいだと思った。 今日は、七夕の日。 去年も一昨年も、その前も、ずっとずっと、七夕の日は、黒姫藜里の、綺麗な天の川の下、たかちゃんと一緒だった。 二人で野尻湖のお祭りに行ったり、花火をしたり、いっしょに藜の里を出て、松本の街まで冒険をしにいったり。 そして、三年前の七夕、たかちゃんとの、最初のキス、その次も、その次の次も、七夕の日はたかちゃんと一緒だった。 今年の七夕、たかちゃんと遠く離れて三ヶ月、わたしは双葉学園の生徒になり、東京湾に浮かぶ島から、海を見ている。 勝手に釣り糸を垂れて、針や糸を放置する生徒を取り締まる、風紀委員の仕事を終えたわたしは、寮へ直帰する前の時間。 岸壁の工事が終了して間もなく、まだ何もない、人もろくに居ない、コンクリートの北岸、お台場に面した海の前で、足を止めた。 たくさんの灯りに囲まれた、狭い海の向こう、たかちゃんの居るお台場、たかちゃんの居ない最初の七夕、海辺でひとりぼっちのわたし。 お台場と人工島を隔てる、暗い海に映る銀色の光が、目の中でちらちらと揺れた。 「ハーイ!モモちゃ~ん、こんなトコで何してんの~」 後ろから声がした、背後の気配に敏感な忍びに気づかれず、わたしに近づける、数少ないひとが、いつのまにか後ろにいた。 わたしは振り返った、左右どちらの手でも抜けるように背中に差した小太刀と、ブレザーに収めた鉄の忍び道具が、ガチャと鳴る。 わたしは、後ろに居た風紀委員長、生徒や教師には恐れられているけど、わたしが誰よりも信じている山口さんの前で直立した。 「委員長、岸壁のパトロールは終了しました、報告書は寮に直帰した後、pdfで作成し、本日中に送信します」 革のブーツにウエスタンハット、肩まで捲くったシャツには竜の刺青、全身を校則違反で固めた風紀委員長は、苦笑いしながら手を振った。 「ん、いいのいいの、釣りなんてさせときゃいいんだし、さっきも紫苑に会って、お願い見逃して~、って頼まれちゃったしな」 一応、漁業権も絡み、何より釣りの仕掛けをゴミとして捨ててく人間の多い、岸壁釣りを取り締まるのは風紀委員の仕事のうちのひとつ。 釣りどころか、時に岸壁に立って、千葉あたりから飛んでくる陸ガモを撃って昼飯にする不逞の輩も、私の目の前に一人いる。 その分、わたしたち風紀委員が頑張らなくてはいけない、異能を河を止める異能と、わたしが習い覚えた忍術で。 それが今のわたしのすべきこと、たかちゃんと藜《あかざ》の里で忍術修行してた頃にはなかった充実感、わたしは今、満ち足りていた。 委員長の山口さんはそのままブーツを鳴らし、歩き去ろうとした、突然、わたしと、岸壁の下に広がる海を見比べて、ニヤ~っと笑う。 「どうした、モモちゃん、海に財布でも落としたか?」 年も学年もひとつ下の15才だけど、この学園で一番尊敬するひと、山口・デリンジャー・慧海さんの、こういう鋭い所は少し憎らしい。 敵となるラルヴァや異能者の本質や習性を、事前の調査と自らの目、そして勘で熟知する、それがこの人を、学園最強たらしめている。 「だって、モモ、泣いてんじゃん」 わたしは、いつのまにか涙を流していた、海の向こう、ほんの2kmほど先にある、お台場の灯りを指差す。 双葉学園での充実した生活、黒姫藜里に置いていたものを忘れさせてくれる日々、わたしは、ただひとつ足りないものに手を伸ばした。 「会いたいひとが…居るんです…会いたいです…ずっと離れていたんです…ほんの少しでもいい…たかちゃんに会いたい」 わたしは、この学園の来るきっかけを作ってくれた山口さん、同じ風紀委員なのに、ろくに話したことのない山口さんに、 今までのことを、全部話した、そんなに長くはかからなかった、藜《あかざ》の忍び里で一緒に過ごした、わたしと、たかちゃんの話。 黙って話を聞いていた風紀委員長の山口さんは、涙を止められないわたしを見て、それから、わたしを革のブーツで岸壁の下に蹴り落とした。 ほぼ直角な岸壁の10m下、清浄装置で江ノ島の海水浴場程度には綺麗な海、船の接岸のために14mの水深がある海に落とされたわたしは、沈んでいく。 風紀委員に敗北は許されない、甘ったれて心の折れたわたしを、蹴り捨てるんだろうか、処分されたって文句はいえない。 このひとはそれをやる、山口さんはこないだも、捕獲したラルヴァに性虐待をしていた風紀委員を、ガソリンをかけて焼殺してる。 わたしは一応、刀と鉄を体中に身につけたまま泳ぐ、忍びの水術を会得していた、野尻湖や松本湖で、たかちゃんと一緒に学んだ水遁。 海の底に落ちる力に抗わず、水の抵抗で体が停止した後、ゆっくり浮上して、海面に顔を出したわたしの真上から、山口さんが落ちてきた。 わたしは水遁で慌てて斜め下に泳ぎ、落ちてきた山口さんを避ける、山口さんも一度沈んだ後、意外と達者な泳ぎで浮かび上がってきた。 「…や…山口さん…どうなってるんですか?、これは、わたしを…どうするんですか?」 制服の下に鉄の武器を持ち、草鞋を履いたわたしの横で、山口さんは、ブーツでの立ち泳ぎに苦労しながら言った 「だってモモ、言ったじゃねぇか、会いにいくって、さっさと行こうぜ、大丈夫、あっちに着いたら、邪魔者は消えるから…ひっきゃっきゃっきゃ!」 たしかにわたしは、会いたいとは行ったけど、行くとまでは言ってない、でも、心で言ってしまったかもしれない、山口さんは、それを聞いてくれた。 「あたしのキャディラックで橋を突破しようとも思ったけどな、今、警護してるのはアイスだ、コンニャクみたいに斬られっちまうよ」 わたしと山口さんは、約2km先にあるお台場まで泳ぎ始めた、泳ぎながら会話するため、着衣泳に強い平泳ぎで、海を進む。 「引き潮があるから、左に流されないように泳げよ、あと、右に行き過ぎても、脱走者監視のソノブイがあるから気をつけろ。 山口さんは、水術修行をしている上に草鞋履きのわたしと、ブーツを履き、予備も含めて5丁の銃を体中に持ったまま、普通に並んで泳いでいる。 二人で泳ぎだした、2kmかそこらの凪ぎ海、でも、引き潮が複雑な海流を作り、体中に鉄を抱えたわたしと山口さんを流そうとする。 わたしは、少し先行して泳ぐ山口さんに、声をかけた、もしかして、海を見て泣いていたわたしの頭は、海に落とされて冷やされたのかもしれない。 「山口さん、あの、山口さん、潮が片流れし始めてます、これ以上は危険です……もういいです、手遅れになる前に引き返しましょう」 山口さんは、「大丈夫大丈夫♪」と言い、わたしよりフラつきながらも、ブーツで不恰好にバタ足し、どんどん先へと泳いでいく。 わたしは草鞋で水を蹴って追いつき、先を泳ぐ山口さんの肩を掴んだ。 「…もう…いいんです!」 湾岸の灯りに照らされた、夕暮れの海、微かな銀色の光に包まれた山口さんは、わたしを見る、青緑の瞳が燃えるような光を宿す。 「・・・あんたは…弱いわよ…」 わたしは、このまま沈んでしまいたくなった、風紀の仕事を放り出して海に飛び込んだのに、こんなに近くにあるものにさえ、届かない。 山口さんは、両手で顔を覆って泣きそうになったわたしの、腕を掴んだ、頭ひとつ分、背の低い山口さんの、わたしよりずっと細い腕。 「弱いのか?」 わたしより泳ぎ疲れた様子の山口さんは、わたしの腕を恐ろしい握力で掴んだ、わたしの異能じゃない、忍術じゃない、この腕をしっかりと掴んだ。 わたしを、掴んだ。 わたしは、引き潮で流し戻されそうな双葉学園、忍びのわたしに、風紀委員という生きがいを与えてくれた、人工の島を振り返った。 そして、岸壁から見ると近かったのに、海に居ると果てしなく遠いお台場を見た、今のわたしが、心から会いたいひとの暮らす所。 「山口委員長、ここからは忍びの泳術"のし"でいきます、はぐれないようについてきてきださい」 「よっしゃ!、さっさと泳いで、お台場の地ビールでカンパイしようぜ!」 人工島とお台場、そして世界一密度のある東京湾の、無数の灯りを反射している、銀色の海、ひとの作った灯りで、地上に流れる天の川。 最初は威勢がよかったけど、少し遅れ始めた山口さんを待つ間、わたしは空を見上げた、去年はたかちゃんと見た、七夕の空。 天の川の両岸には、神様の作った星の河によって引き離された織姫と彦星が居て、一年に一度、晴れた七夕の日に、二人は、 神様の情けで、天の川に遣わされた一筋の流れ星、シギの翼に乗って、星の河で、一年に一夜だけの逢瀬を楽しむという。 わたしには、結婚し働かなくなったため、神の怒りに触れたという織姫と彦星が河の両岸で、一年に一度の触れ合いしか許されぬ理由が、わかる気がした。 仲睦まじい織姫と彦星、きっと二人の心は、とうに離れていたんだろう、二人ともそれぞれの河の岸で、もっと大事なものを見つけてしまっている。 もしも本当に会いたいと望んだなら、神様の遣わすシギなど居なくても、自分で河に飛び込み泳ぎ渡り、大事な人の胸に飛び込んでいるだろう。 わたしは今、星の川を渡っている、会いたいひとに会うために、大切なものを全て捨てて、たかちゃんに会うために。 現代の武専といわれる、お台場の全寮制武術高校、その生徒達はきっと、すごく驚いたと思う。 海に沿ってテラス状になった食堂、舞台設定はオシャレだけど、おいてるテーブルや並んでるご飯は、粗末で栄養本位な学食メニュー。 そこに突然、岸壁の非常階段を上って、びしょ濡れの制服に身を包んだ、女子二人が上陸してきたんだから。 わたしは小太刀を差して、草鞋履き、山口さんはブーツにウェスタンハット、首からは拳銃を下げている。 武道学生の男女達をかきわけて、自衛隊迷彩服を着た、先生らしき人が、わたしたち不法侵入者二人の元に駆け寄ってきた。 わたしが状況をどう説明しようか迷ってる横で、山口さんは、空に向けてデリンジャーを一発撃った、硝煙と水蒸気が立ち上る。 「よし、乾いた」と言い、先生に銃を突きつけ、それから、「これのほうがいい」と、電子生徒手帳の身分証明ページを示した。 一応、都の公務員である武専の師範は、学園の外でも権限を持つ、風紀委員長のIDを見て、兵隊さんのように直立した。 「え~と、すぐに呼んでこい…その…誰だっけ?」 山口さんは、さっき岸壁でわたしが話した、たかちゃんのことは、かなり忘れてしまったらしい。 「た…たかちゃんです!…黒姫藜里《くろひめあかざざと》の戸隠流忍者、虎骨法のたかちゃんです!」 武芸百般の専科学校だけあって、それだけでわかったらしく、先生は呼びに行ったが、それとすれ違いに、一人のひとが入ってきた。 制服や、各々の武道の服を着た生徒達の中でもかなりヘンな、そして見慣れた、黒姫藜里の濃い灰色の忍び服と、手拭いの覆面。 「たかちゃん!」 わたしを置いて、東京に行ってしまったひと、拒まれるかもしれない、嫌われるかもしれない、何も考えず、たかちゃんの胸に飛び込んだ。 たかちゃんは、お台場の武専まで強引に会いにきたわたし、ものすごい迷惑をかけてしまったわたしを、黙って抱きしめてくれた。 わたしが背に回した手に、大きな木を繋いだものが当たる、水蜘蛛、忍びが堀や河を渡る、簡易水上器具。 「ちょうど、百《もも》の待つ、彼の岸へと渡河せんとしていた折りだった、水蜘蛛の普請をしていたら、日暮れの刻となってしまった」 「もう!たかちゃん!そんな小さな水蜘蛛で潮のある海に出たって、猫くらいしか浮かべられないよ!」 「しかし私は、水術が不得手で、泳ぎ申さん」 「 知ってるわよ、藜《あかざ》の里に居たころからずっと、だから百《もも》は、忍びの術で水を渡って、たかちゃんに会いにきたの」 山口さんが後ろで、なんでお客様にコーヒーの一杯もくれねぇんだよ!と、学食の店員に食ってかかってるのが聞こえる。 「委員長、お願いです、あと10分、いえ、5分でいいから、たかちゃんと…お話しさせてください」 山口・デリンジャー・慧海さんは、革のブーツを脱いで、ひっくり返して海水を出していたけど、振り返って私を睨んだ。 「ハァ~?、5分で何が出来るっつーんだよ?モモはそんな早漏な男のために、ここまで泳いできたわけじゃねぇだろ?」 「私は五分では無理である」 わたしはたかちゃんの口に毒菱を打ち込もうとしたが、水でダメになっていた。 風紀委員長の山口さんは、再びわたしに背を向け、苦労して濡れたブーツを履きなおしながら言った。 「双葉学園風紀委員、飯綱百《いづなもも》、現時刻を以って、着衣泳訓練を終了する、適時の休息の後、寮まで直帰せよ」 それから、革のウエスタンハットを脱ぐと、濡れて栗色に近くなった髪を指で梳き、再びハットを頭に乗せた。 深く被った帽子の縁越しに、横目で私を見て苦笑しながら、「ま、訓練してもらったのは、あたしだけどな」と一言付け加えた。 わたしは、自分が泳いできた海を見た、夜が更けるほど水温が下がり危険になる海を泳いで帰れるだろうか、夜が明ければ、満ち潮の時間になる。 たかちゃんとの時間は、どれだけ許されるのか。 「明日…明日の朝、0630…6時半から10分間だけ、連絡橋のゲートにジャミングをかける、その間に戻って来い」 この風紀委員長は、出入者を管理する学園の重要拠点、連絡橋の監視システムを停止し、不法な侵入に目を瞑ると言っている。 以前に別の理由で、システム停止をしたことがあったが、この人にとってジャミングとは、監視センサーを撃ち壊すことだった。 「んじゃ、今晩はよろしくやんな~、明日の朝は、ラジオでも聞いとけ、NHKでラジオ体操をやってる間が、ジャミングタイムだ」 寄り添うわたしたちへの気遣いなのか、わたしに背を向けたまま、手近にあったコーヒーを奪い取って一口飲んでいる山口さん。 「あの、委員長…山口…デリンジャー…慧海さん…ありがとうございます、初めて会った時も、そして今も」 慧海さんは、背を向けたまま何も言わず、濡れて重くなったウエスタンハットを脱いで、ひらひらと振ってから、また被りなおした。 それから唐突にブーツを鳴らし、岸壁を走ると、海に飛び込んでいった、生徒達が「あのひとはラルヴァだ」と口を揃える、身軽な動き。 ほとんど水しぶきをたてず海に落ちた慧海さんは、行く時の泳ぎは何だったのか、聞きたくなるほどの凄い速さで、泳ぎ去っていった。 生徒課長から聞いた話では、慧海さんは昔、海の軍隊に居て、ブーツを履いたまま海を泳ぐ訓練をたくさんやったらしい。 慧海さんに言わせれば、鮫の居ない海なんて天国みたいなもん、手抜きで泳いでも曹長に蹴っ飛ばされない海は、まさに天国。 「百《もも》よ、あの大層な美姫ながら、非常に面妖なる者は、おまえの朋輩か?」 「うん、わたしが、学校でいちばん信じてるひと…そんなことよりたかちゃん…お話しよ…昔みたいに、朝まで…いっしょに、お話しよ…」 昔、ラルヴァに襲われたわたしを助けてくれたように、七夕の日に奇跡を起こしてくれた風紀委員長、わたしのとても大切な人は、 海辺の灯りと星明かりを受けて、銀色に光る地上の天の川を、海流に逆らって学園に向けて、ぐいぐいと泳ぎ去っていく。。 あの時、空からやってきて、わたしをラルヴァから助けてくれたあのひと、慧海さんは、星の海を渡って、帰っていった。 きっとわたしは、もう、なんでもできる、なんでもできるからこそ、わたしの本当にしたいことがわかる。 だってわたしは、今夜、星の海を渡って、たかちゃんに会いにきた。 潮の引きで横向きの海流が生まれた海をものともせず、たくましく泳いでいく慧海さん、首の鎖が灯りを反射して、一瞬光った。 それはまるで、七夕の夜、織姫と彦星ををめぐり合わせてくれる伝説の鳥、神様の遣わした、銀色に輝くシギのようだった。 わたしたちの夜は、これから。 【danger zone七夕特別編 ~Milkyway NINJA】 (おわり)
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前作から半年でリリースされた第二作。 ボリュームは少々控えめ。前作の追加ディスク的存在 (ストーリーは独立していますのでご安心を。一部隠しパーツは初代からデータを引き継ぐ必要があります) -- (名無しさん) 2010-05-01 10 12 08
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WindowsXPの再インストール方法。 Thinkpad X22 FDはUSB、CD-ROMはPCCARDの外付けDVDドライブKXL-CB10AN。ブータブルCD不可。 Windows2000OEM版ディスク、WindowsXP HomeEditionアップグレードディスク。 パーティション分けたくない。 経験したトラブル WindowsXP HomeEditionアップグレードはHDD内にWindows2000がインストールされてないとインストール不可。CD-ROMがあってもダメ。(CD-ROMを認識してなかったから??) DOSディスクではNTFSフォーマットできない。 Windows2000はFATの巨大なディスクにはインストールできない。 Windows2000のインストール時、インストーラがCD-ROMからHDDにファイルをコピー- 再起動したあとにそのまま起動しなくなった。LinuxのSmart Boot managerを使ってCからブートさせたらどうにか続行。 結果的に上手くいった方法。 XPでDOSディスク作成。 KXL-CB10ANのドライバを使えるようにしておく。 CをDOSディスクで2GBだけFATフォーマット。 CにWindows2000をインストール SPメーカでSP2適用済みのCD-ROMを作る。 Microsoftの起動ディスク(HomeEdition SP2用!)でXP HomeEditionをインストール。 以下詳細。 XPから起動ディスクを作る 1.まず、XP上からFDD右クリックでフォーマット、「MS-DOSの起動ディスクを作成する」オプションをonに。 2.必要なファイルを集める。 MSCDEX.EXEはMicrosoftのサイトからもって来ました。 SYS.COM、FORMAT.COM、FDISK.EXEはインストールされたwin98とかがあれば簡単に手に入るらしいのですが、そんなものないのでネットで探します。 リンク名 WinMenoram_bootdisk.isoをおとしてdaemonToolsでマウントして上記のファイルをゲットします。XPでつくったDosディスクはwinMeと同じバージョンのようなので(コマンドverでチェックできます)きちんとMeを落としましょう。 次はドライバが必要です。 PC Card ドライバーIBMDSS14.SYS カードサービスIBMDOSCS.SYS の2つをIBMからkxp101.exeを落として入手。 ATAPI マネージャーATASMGR.SYS CD-ROM ドライバーKMESATCD.SYS は松下からf2h_atapi.exeを落として入手。 すべてFDに入れて、あとはconfig.sysとautoexec.batを書くだけです。 Config.sys ;◆ PC Card ドライバー ;◆ ソケットサービス DEVICE=A \PCCARD\IBMDSS14.SYS ;◆ カードサービス DEVICE=A \PCCARD\IBMDOSCS.SYS ;◆ ATAPI マネージャー DEVICE=A \KXL808\ATASMGR.SYS /PORT=190 ;◆ CD-ROM ドライバー DEVICE=A \KXL808\KMESATCD.SYS /D CD001 LASTDRIVE=Z autoexec.bat DEVICE=OAKCDROM.SYS /D CD001 LASTDRIVE=Z これで起動すればCD-ROMがM にマウントされてるはずなので M \I386にCDしてWINNT.EXEをすればようやくセットアップが始まります。 ちなみにC はNTFSでフォーマットされてると Invalid drive specification とか出て見れません。FDISKで非DOSなパーティション削除- パーティション作成とすれば見れるようになります。 しかしcould not find a place for a swap fileとか出て進みません。 CドライブをFATで2GBぐらいだけフォーマットしてください。 Microsoftの起動ディスクについて。 リンク名 USBのFDドライブとフロッピーが1枚あれば、 一台のマシンで起動ディスク作成、もう一台は再インストールと一枚作るごとにUSB抜き差ししてバケツリレーしてもちゃんと動きました。 SP+メーカなどを使ってサービスパック適用済みのCD-R等でインストールする場合、 作ったディスクのSPに合わせたインストール用起動ディスクを手に入れてください。 ノーマルXP homeEditionにSP2を当てたら、Windows XP Home Edition With SP2 用起動ディスクを使うということです。 2008年10月時点では、SP3用インストール用起動ディスクがありませんので、 SP3適用済みのXPは使えません。 一枚目のFDを読み込むときに、「大容量SCSI云々」と聞かれたら、すかさず F6を押しましょう。(すぐ消えちゃうので急いで) コレを逃すとすべてのFDを読み込んでから、 「CD-ROMが見つかりません、セットアップ終了」となり凹みます。 自分の場合は、そのあとKXL-CB10ANのドライバを付属のFDから読み込み(Cardbusで大丈夫でした)、HDD内のwindows2000を確認してくれた後、 CドライブのNTFSフォーマットを経て、無事インストールできました。 一応メモ。Windows2000のCD-ROM内、BOOTDISKのMAKEBT32.EXEで作った4枚のFDの場合、 CD-ROMを読み始めたところで 「使用承諾契約書(EULA)を検出できません」 と中断してしまいました。
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ディスク再構築 PS2タイトルの再構築方法ディスクからファイルを抜き出し、PCで再構築してやることで、 ダミーファイルを差し替えて使用容量を減らす DVD化して読み込みの高速化と騒音の低減を図る DVD二層のゲームを一層9Gのファイルにすることでプレイ可能にする。 ファイル構成が特殊なタイトルをHDLにインストール可能にする CDLoaderと統合することで一部のものをHDLから直接起動可能にする などの恩恵を受けることができます。 ===使用ツール Generator 1.50 ISOBuster DVDScan36 DVD Decrypter 普通のiml2iso DVD Iml2iso 再構築の注意 ※PCにファイルを抜き出す際、エクスプローラーのコピーを使うと、ファイルが壊れるときがあるため、ISOBusterの展開を使いましょう。 二層- 一層化 http //www.ps2nfo.com/forums/showthread.php?t=22911 CD/DVD Generator 1.50用PATCH PPF-O-MATiC http //www.paradogs.com/pdx_ppf3.htm Apache やUltraISOなど二層対応の読み出しツール ===前準備 ISOBusterで正規ディスクのLBA配置をチェックしたあと、全てのファイルをHDDに展開する。 ※普通にコピーするだけでは読み出せない場合が希にあります。また普通にコピーするとできてるように見えても、 ファイルが壊れている場合があります。 二層の場合 (0) DVDDecrypterなどでISOファイルを書き出す。 (0) UltraISOなどでLayer0とLayer1の全てのファイルをHDDに展開する。 (0) PPF-O-Maticを利用してCDVD Gen本体に上限解除パッチを当てておく。 ===修正必要なら修正を加える。メディアチェックを書き換えることで不具合が解消されるタイトルもあります。 RIPPING PS2タイトルの中には、読み込みの高速化を図るためにダミーファイルを配置して主要ファイルを外周に押し込んでいるものが有ります。 HDLを使う場合は読み込み速度は気にせずとも良い要素なので、ダミーファイルを1Byteの同名ファイルと置き換えてやることで HDDの使用容量を減らすことができます。 ダミーの差し替えだけなら比較的簡単にできますし、4Gのものが800MB程度になることも多いため、HDDの残り容量を気にする場合は有用な作業となります。 ダミーファイルを見分ける特徴としては 名前がまんまDUMMY 512MBとか1024MBとかで容量の切りがいい バイナリエディタで覗くと0で埋められている などが有ります。当然ながらこれに当てはまらないダミーも有ります。 又、置き換えるダミーに0Byteのものを使うと上手くいかない模様です。 一部のソフトではダミーファイルを使わずに直接LBAを指定してファイルを外周に置いているものもあります。 この場合は↓のLBA配置の修正をせずにISOを作成するだけで容量を減らすことができます。 CD - DVD変換 DVDScanで全てのファイルのメディアチェックを書き換える CDLoaderと統合 HDLから直接起動できるCD(DVD)Loaderと統合してやることで、通常では起動できない PS2OSなどのアプリを直接起動できるようになる可能性があります。 メモカブートの出来ないV10以降のPS2では大きなメリットとなりえます。 Atnek氏のページのCDLOADER MULTI GAME DISCが参考になります。 CD(DVD)LoaderのバージョンによってHDLでは起動できない場合があります。 こちらのHDL用DVDLを利用されるのが確実かと。 PAL - NTSC変換 NTSCONVというツールで恒久的なパッチを当てることもできますが、 時間がかかる割には確実性に欠けます。 CD(DVD)LoaderのPAL - NTSCの変換機能を利用するのをオススメします。 ===再構築 (0)ISOBusterで見たのと同じ順番、同じLBA配置になるようにCD/DVD Generatorにファイルを登録する。LayoutボタンでLBA調整が可能。RIP目的の場合は不要。 (0)ファイルの配置順を記録したimlファイルが出力されるのでiml2isoを使ってISOに変換する。 (0)動作が確認できない場合はLBA Table FinderでLBAテーブルの再調整を行う。 二層- 一層化 0) パッチ済みCDVD Gen1.50に全てのファイルを追加する。 (0) Volumeタブからディスク情報を入力する。最低SLPS_YYY.XXだけでOKの模様。 (0) Export iml File でimlとimsを出力し、DVD IML2ISOでISO形式に変換する。 ===コメント/ツッコミ LBA調整はしなくても動くときは動きます。オススメはしませんが。 CDVDgen1.50では1.2G以下のDVDは作成できない模様。1.20を使えばOK ダミーファイルが無いのにディスク容量が大きいものは、ウルトラISOで読み込みそのままISO保存すれば容量削減できます。 ↑の場合全てがウルトラISOでOKだと思っていたのですが、中にはこれで起動しなくなるものもあるようです つまりLBA調整が必須のものもあるので、ウルトラISOで何でも出来るわけじゃないって事。 ===二層互換性リスト http //www.ps2-scene.org/forums/showthread.php?t=23981 page=1 pp=15 タイトル Inst 起動 二層目 クリア 備考 Champions Of Norrath(US) ○ ○ ○ ○ Metal Gear Solid2 Substance ○ ○ ○ ○ Skateboadingはプレイ不可。 Xenosaga Ep1 ○ ○ ○ ○ サクラ大戦 ~熱き血潮に~ ○ ○ ○ ○ Wild Arms Alter Code F ○ ○ ○ ○ Gran Turismo 4 ○ ○ × × 起動は可だが最初の英語の文字のあとブラックアウトしプレイ不可 ファイルの並び順が正しくないと、二層目が読み出せない(??) 二層から一層は、一つもファイル・フォルダを削らずに元のゲームの並び通りに(Apacheなどで見れる) 一層の始めから二層の終わりまで再構築。 ===再構築用IML ダミーカット二層DVD再構築ver0.21.rar 容量削減再構築用iml.zip二層- 一層化やダミーカット用IMLのセット。 (終)
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メリーの居る生活 特別編『Trick or Treat』後編 メリーの居る生活 特別編『Trick or Treat』前編からの続き 10月31日 朝 朝食を済ませて部屋に戻ってきた僕は、椅子に腰掛け、昨日教わったメモを改めて読み返していた。 今日は昼からお菓子を作る予定だ。 おばあちゃんは丁度その頃に出かけるから、キッチンは夕方まで貸切に出来る。 ピピピピピピピピピピピ 「ん、メリーのか?」 部屋の片隅で、いつもメリーが使っている携帯が鳴っていた。 あいつ、携帯持ち歩かないのか…って、そうか。寝ぼけてる所を僕がリビングまで引きずって行ったんだっけ。 「やれやれ。…メリー。お前の携帯鳴ってるぞー」 部屋から顔を出し、リビングで朝食を摂っているメリーに、大きめな声で呼びかける。 するとすぐにリビングからメリーが出てきた。 「電話って?」 「相手は知らん。ホレ」 階段を上った先でメリーに携帯を渡す。 メリーは渡された携帯のディスプレイを見て、…首をかしげた。 「ん?誰だろ。これ」 「何だ、知り合いじゃないのか?」 「咲かロザリーだと思ったんだけど…」 ピピピピピピピピピピ 「とりあえず出てみたらどうだ?」 「そうね」 ピ メリーは躊躇いも無く電話に出る。 悪徳業者だとか詐欺だとか警戒しないあたり、やっぱ度胸あるな。 「私メリー。あなたは誰…?」 あぁ、こいつ着信だとそんな受け答えするんだ。 僕の場合は「何?」とかだからな…。 「…………………」 「…誰だって?」 「変ね。何も聞こえないわよ?」 「お菓子を要求しない新手のイタズラか?」 「ん、静かに。何か聞こえる……。その声は…ネクロ…じゃなくて、瞳?」 「横島か。あいつが用事なんて…なんだろうな?」 うかつだったな。横島の奴メリーの電話の番号聞いて無いのかよ。 さて…、どうフォロー入れるのか…。 「急にどうしたの?うん。うん。…今日?うん、別にいいけど。…お昼ね。わかった。うん、それじゃ駅前で」 『うん』って返事多かったな。 横島ってば電話だと結構喋るのか? いや、そんなことはどうでもいい。 とりあえず予定通り。 今のは横島がメリーを外に誘い出してくれるように仕込んでくれたのだ。 これでメリーの事を気にせずに、お菓子作りに専念できる。 「横島か?」 「えぇ、咲に番号教わったんですって」 「なるほど。んで、出かけるのか?」 「そ。話したいことがあるって言ってたわ」 「ふーん」 「そうと決まったら、シャワー浴びてこなくちゃ…。覗かないでよ?」 「はいはい…」 メリーは専用衣装ケースから自分の着替えを取り出し、部屋を出て行った。 僕も、準備だけしておくか…。 同日 昼 「いってきまーす!」 「いってらっさい」 横島に会いに行くメリーを送り出して、やっと家の中が静かになった。 これで菓子作りも始められるな。 「男、隆一。一世一代の大勝負。やらせていただきます。ってな」 電話には戸惑ったけれど、なんとか用件を伝える事はできた。 あとはメリーが来るのを待つだけだ。 …やはり外は、特に人通りが多い場所は嫌いだ。 何故道行く人間達は、私をじろじろと見ていくのだろう。 ここに来る前に、ちゃんと姿は模したはずなのに。 『僕ら人間が見ると、横島は美人の部類に入るからだろ。それも上位の』 昨日からあの言葉が頭から離れない。 あれは彼なりのフォローのつもりなのだろうか。 外見なんて無意味。知識に勝る物は無いと思っていた私の中に生まれた変化…。 隆一は私のことを美しいと言った。昔の私なら相手にもしなかっただろう。 でも今は何故。何故その言葉が頭から離れない。 今この時だって…。 彼の依頼はハロウィンの知識という情報を渡すだけで終わったはずなのに。 私はこうやって、自分から出した提案でメリーを待っている。 あそこで何も言わずに、買い物を済ませていれば…。 いや、買い物もそうだ。 彼も言ったが、買い物なんて一緒に行く必要も無かった。 何故だ…。私は彼と共にいる事を望んでいた? いつから? …頭が混乱する。 理解できない事が多すぎる。彼は何なんだ。 私は…何を望んでいる…? 「瞳ー?…あれ、立ったまま寝てる?」 「……………メリー?」 いけない…。深く考えすぎてしまった。 「お待たせ。今日はどうしたの?」 「……別に。たまには…いいかなって」 「あなたにしちゃ、珍しいわね…。私は別にいいけど」 「………………………」 「にしても…、あなたすごい注目されてるわよ?何かしたの?」 まだ周りの人間は…。男も、女も私のことをじろじろ見ている。 …そうだ。メリーにも訊いてみよう。 女性の彼女なら、別の答えを持っているかもしれない。 「……メリー。私って…目立ってる?」 「うん。かなり目立ってる」 「……何故?この格好は不相応か?」 「格好じゃなくて…。その…外見が。…ね」 驚いた。 メリーまで隆一と同じことを言うのか? 「そんな事…」 「あー。もしかして私に相談って、そんなこと?」 「…え、あ。違…」 「それって、遠まわしな自慢だよね。むー…」 なんて事だ。あろうことか私の相談は、他人に…女性にとっては不快な問題だった。 当たり前だ…。どうして気づけなかったんだ。こんな簡単な事が…。 「……ごめん。そんなつもりじゃなかった」 「あ。そうだ」 「……え?」 「とりあえず顔を隠してみようか」 「………?」 何の話をしているのか、混乱していた私にはすぐ理解できなかった。 「だから、見られるのが嫌なら、顔を隠せばいいの」 「…顔…隠す」 「どうせこれから冬だし、ちょっと厚着すれば、その体系なら隠せるわ」 「………………」 「そうと決まれば、行きましょ」 「……うん」 私はメリーに連れられ、駅前から商店街に続く歩道を歩いていった。 「うーん。口元はマフラーで隠して、帽子を深く被れば…あれ?この組み合わせは」 「………それ、普段の私の格好に似てる」 「んー。明るい色にすれば雰囲気変わるかな?」 「………あまり、想像できない」 「私に任せておきなさいな。暇な昼下がり、○ーコファッションチェックを何度も見てる私にね」 「…………………」 …不安だ。 「そろそろ三十分か。どうなってるかなーって、あんれぇ!?」 冷蔵庫で寝かせておいたクッキーの生地は、予想通りボロボロと崩壊を初めていた。 「やっぱ崩れたか…。水分が足らないのか?…いや、調子乗ってかぼちゃペースト混ぜすぎたのがマズかったかな?」 どちらにしろ、これではやり直しだ。 時間はまだ十分にあるものの、あまり失敗は出来ない。 「横島のメモ通りにやってるんだけどなぁ…。難しいぞ…これ」 つまむだけで簡単に崩れてしまう生地を捨て、僕はまた新しい生地を作り始めた。 「わぁ。似合う似合う!」 私はメリーに連れられ、女霊洋服店という店に入った。 メリーは私に次々にマフラーや帽子を付けさせて、納得できる組み合わせを探していた。 「……そんなに騒がないで…。周りの人間がこっち見てる」 「あぅ。ごめん…。でも、そのストールすごく似合うよ」 「………あまり擬装効果は感じられない」 「それロングストールだし顔半分くらいなら隠せるんじゃない?」 「…………ん…こう?」 「そうそう。それにこのつば付きニット帽子を深めに被って。はい。鏡見てみてー」 「……………」 「どう?これなら、そんなにジロジロ見られないでしょ?」 「……予測は出来ない。けど…」 確かに鏡の向こうの自分は、誰にも注目されないし、話しかけられることすらないだろう。 顔がまったく見えなければ、私が男か女かも判別できない。 私は帽子を浅く被り直し、隣のコーディネーターに微笑んだ。 「悪く…ない」 「でしょ?」 私の微笑みはストールに隠れて、メリーには見えなかったはずだった。 なのに、メリーは無邪気に笑い返してくれた。 偶然なのか…必然なのか…。その時、私には『どちらでも構わない』という答えが導き出された。 「やっべ、バター切れた」 あれから何度も失敗を繰り返した結果、とうとう家にあったバターが尽きた。 まずいよなぁ。ご近所に借りれるようなもんじゃないし。 「…仕方ない。スーパーまで買いに行くか」 パッと買ってサッと帰ろう。 めんどう臭くなくていい。 「あー。どこが安いだろう。駅前避けりゃどこでもいいか…」 「効果バッチシだね。全然見られないよ?」 「……うん。ありがとう」 洋服店を出てすぐに、効果は現れた。 道行く人間達は、今の格好をした私には見向きもしなくなった。 「えへへへ。ねえ、この後どこか行くの?」 「……まだ決めてない。…自販機で何か買って飲もう。そこのベンチで待ってて」 「うん、温かいのお願い」 「わかってる…」 私はメリーをベンチに残し、自販機に向かった。 「懐かしいなぁ。こぃと初めて会った場所だ…」 「…お待たせ。コーヒー。微糖でよかった…?」 「う…。実はコーヒーあんまり飲めなかったり…」 …いけない。メリーはコーヒーが苦手だったのか。 温かい物と言われて、コーヒーだと予測したが外れてしまった。 「…ごめん。別のを買ってくる…」 「ううん。それでも微糖なら大丈夫。ありがとう」 「そう…。次から記憶しておく」 「じゃあ、次はおしるこ缶ね?」 「おしるこ…?わかった。覚えておく……」 『ところで、お前は食事とか摂るのか?』 『必要ない。でも人間の食べ物は嫌いじゃない。…何故そんな質問を?』 『食べれないのに誘ってたら悪いなって思ってさ』 ふと、脳裏に昨日の会話が再生される。 これは、隆一が私を同情…違う。配慮してくれたときの会話…。 相手の事を配慮する重要さ…。そうか…理解できた気がする。 「瞳?どうかしたの?」 「…いや、なんでもない」 「…それならいいけど。それで、次どうしようか?」 「……メリーは、ゲームセンターには行ったことある?」 「ううん。無い。でも行ってみたい」 「……うるさい場所だけど…大丈夫?」 「平気よ!行ってみましょう。隆一に自慢してあげるんだから」 「……目指せ、スコアランキング1位ね」 「ん?何ランキング?」 「……向こうで説明するわ」 これで私にも配慮というものが、出来ただろうか…? スーパーに行くと、つい無駄な買い物までしてしまうぜ。 とりあえずバターは手に入ったな。これで再開できる。 「さっさと帰らなきゃな。商店街でばったりとか、笑えな――――」 「あれ?隆一?」 「……………」 何で二人がここにいるんだ。 「よう。駅前に行ったんじゃなかったのか?」 「用事は全部済んだわ。見なさい、この瞳の勇姿!!」 メリーは横島の後ろに回りこみ、僕の前に押し出した。 僕と横島の距離が目の前までグィッっと縮まる。 「……!?ちょっと、メリー…」 「ほら、まるで別人でしょ?」 横島は、まるで変装でもしているかのように、マフラー?のような物で口元を隠し、目が見えるか見えないかの深さで帽子を被っていた。 「何やってんだい。まだこっちはまともな食べ物が出来てないんだぞ」 「……あなたがここに来るなんて、想定外だった」 メリーに聞かれないように、なるべく小声で話をした。 確かに僕もバターが足りなくなるなんて考えてもいなかったが。 「このまま買い物を続けるとか、出来るか?」 「…難しい。丁度メリーが帰ろうと言い出していたところ」 「マジかい…」 「どう?誰だか分からないでしょ?」 メリーがニヤニヤしながら寄ってくる。 「別人ってより、変装だろこりゃ。…真っ黒なサングラスとかするよりマシだろうが」 「そっか、サングラスもあったわね…」 「これはアレか?横島が目立つから、この格好をさせたのか?」 「そう。よく分かったわね?クラスでも人気なの?」 「あぁ、まあ、そんな所だ。クラス同じだから知ってても変じゃないだろ」 「……余計な話題は避けたほうが無難」 横島が耳元でボソッと忠告する。 メリーに昨日一緒に下校したとかばれたら、機嫌悪くするだろうか。 どちらにしろ余計な事は言わないに限る。 「隆一もいた事だし、帰りましょ。瞳も来る?」 「…え?いえ、私は…」 「どうせだからお前も来なよ。家帰っても夕方まで僕とメリーだけだし」 ここでもし、メリーと二人きりで帰れば、「何も用意していませんでした」とバレた途端に、瞬獄殺でK.Oされそうだ。 こうなったら道連れよろしく、横島を誘ってやる。 「そうそう。遠慮しないでいいよ」 「……うん。お言葉に甘える…」 計画通り…。 メリー達と合流した僕は、三人で家に戻る事になった。 家に帰っても内緒でクッキー作りは、もう無理だな。 帰り道、メリーが先走って信号を渡ってしまい、僕と横島が赤信号で足止めされた。 この時を狙っていたのか、横島が話しかけてきた。 「……話がある」 「なんだ?」 「……メリーの望んでいる物…お菓子のこと」 「まさか…。かぼちゃ嫌いとか言ってたか?」 「…違う。メリーの望んでいる物は、…手作りでは無い」 「ん、なんだって?」 「……メリーは市販されている特定のお菓子を、あなたが持ってくるかを期待していた」 「なんてこった。…どうするんだ。このバター」 「……………」 どうやら、ここ3日間の悩みは全て無駄だったようだ。 そうか、手作りなんて最初から望んじゃいなかった…。そこらに売ってるお菓子でよかったのか。 「その特定のお菓子ってのは?」 「…信号。青」 「空気読めや、信号機め」 手作りクッキーが望まれていない上に、完成どころかまだ作ってる最中なんて。 何とも情けない…。 「二人とも、何話してたの?」 信号を渡ると、僕らを観察していたメリーが、聞いてきた。 「いや、別に大したことじゃない」 「む。怪しい。男って聞かれたくないこと訊かれたとき、そうやって「はぐらす」ってテレビでやってたわよ」 メディアめ…!!危険な奴に余計な知識植え込みやがって。 「…今日はメリーの機嫌がいいから」 「え?」 「彼に…理由を聞いていたの」 さすが横島。ナイスフォローだ。 「あんた、何か言った?」 「いや。まだ何も」 「そう。瞳、今日何の日か知ってる?」 こいつは…また、勿体つけて答えを聞き出そうとしてる。 さて、答えは散々昨日おさらいしてるんだ。横島はどう答える? 「…ファミコン、スーファミ、64の修理受付が終了した日」 「ふぇ!?」 さすがだ。さすがだよ横島。ゲーマーの鏡だよ。 お前なりの冗談か?そうなのか? 「違うー。聞きたいのはそれじゃなくて…」 「…スレイヤーの誕生日」 「誰よ。それ…」 「マッハパンチの人か?」 「………」 横島は僕の言葉に横に首を振る。 「…マッパハンチ」 「参った。僕の負けだ」 「もー。何の話してるのよー」 それからは、メリーがピッタリとくっついて離れなかったおかげで、横島と会話はできなかった。 今更お菓子の名前聞いてもしょうがないとは思うが、何が欲しかったのかくらいは聞いておきたかった。 「ただいまー。あれ?何だかいいにおい?」 「よし、全員、手を洗ってキッチンに集結せよ」 「……私も?」 「はい、横島はやり直し。お邪魔しますくらい言えってのー」 「え?あ…」 僕は玄関に入ってきた横島を回れ右させて、外に連れ出す。 メリーを玄関に残し、ドアを閉め、すぐに小声で横島に相談する。 「こうなったら三人でお菓子を作る。今更僕一人で作っても成功しそうにないから」 「…私にも作れる確証はない」 「作ろうとする事に意味があるんだって。さ、戻るぞ」 「ただいまー。ほら。横島!」 「…お、お邪魔…します」 「隆一、キッチンがゴチャゴチャしてるけど、何か作ってるの?」 「今行く。触るなよ!絶対に触るなよ!」 「どれどれ…」 「あ、コラ!今の振りじゃないから!お願い本当に触らないで!!」 「………」 「横島、洗面所はあっち。手を洗っといてくれ」 「……わかった」 「わ、何この粉!」 「触るなって言ってるだろうがー!」 洗面所に入っていった横島を見送って、作る前に破壊しそうなメリーを止めにキッチンに走った。 キッチンに置いてあった材料をいじくり回しそうなメリーを何とか静止し、横島が来るのを待って、これから何をするか説明した。 上手く誤魔化しつつ、ここにある材料は、あたかも今から作るために用意しておいたような説明のしかたをする。 「今からお菓子を作る。オーダーはかぼちゃのクッキー…。メリーはかぼちゃの味とか平気か?」 「大丈夫だけど?何でクッキー?」 「魔法使いがお菓子寄こせとか言いだしたから、作ることにした」 「魔法使いって、…それ私じゃない!」 「そこらに売ってるお菓子より、焼き立てクッキーの方がいいかなって。男心なりに考えてみたんだが」 少しカマをかけてみる。気休め程度の保険がわりだ。 「別に私は売ってるお菓子でも良かったのに。…でも。こっちの方がいいかな」 「いいのか…?別に気を使わなくてもいいぞ」 「こ、れ、で、いいの!瞳も一緒に作るんでしょ?」 「………」 横島は首を縦に振る。 「うーむ…。よし、始めよう。…あ、メリーは言われた事以外、手を出さない事」 「うるさいわね…」 「……メリーは料理苦手?」 「そんな事無いわよ?」 「そうだな。メリーの場合、独自性がオリジナルを凌駕して、まったく別のものが生まれる」 「後で覚えときなさいよ…!」 横島がここにいる限り、僕の身の安全は保障されている。 横島が思いがけないブレーキになっているな。いいコンビだ。 「……メリー。私と一緒に作ろう」 「失敗するかもしれないけど、いいの?」 「……失敗することを考えない。…上達するコツ」 「…がんばる!」 「……がんばって」 僕らは3人キッチンに並びクッキー作りを始めた。 僕はかぼちゃを2人分追加でペースト状に。 メリーと横島は生地の下ごしらえだ。 横島がバターを少しばかり掬い取り、ボールに移す。 「なあ、横島。バターってそんなもんでいいのか?」 「…これで3人分」 「げ、マジかよ」 僕は一人分でその量を入れていた。 そうか、崩れやすかったのはコイツのせいか…。 「…メリー。卵」 ボールを持った横島は、それに卵を入れるようにメリーに指示する。 「い、いくわよ…」 今にも手に持った卵を握りつぶしそうなメリーは、恐る恐るボールのカドでコンコンと卵を叩く。 そんな軽くじゃ割れない。 もう少し力を強めて―――。 「……もうちょっと強く」 「…こう?」 力の加減がいまいち苦手なメリーは、力の加減のギアを低速から3速まで一気に上げた。 あ、割れる。 「……!!」 一寸、メリーの力の入れ具合を先に察知した横島は、ボールを手前に少し引き落とた。 コン!と、小気味いい音が鳴り、卵には綺麗なひびが入った。 「あ!…あれ?ちゃんと割れてる」 「……よくできました」 「すげ…」 ボールを手前に引くことで、卵が割れない程度に衝撃を調節したわけか。 「…私がかき混ぜるから、卵をあと2個。…力み過ぎないように」 「うん」 なんとか、メリーも横島のことをちゃんと手伝えてる。 これなら満足してくれるかな…。 「……次、かぼちゃペースト」 「隆一、それ寄こしなさい」 「ほれ」 メリーにペースト状のかぼちゃが入ったボールを渡す。 「……かぼちゃは冷めてる?」 「うん、冷たい」 「買い物に来る前に冷蔵庫で冷やしておいた。メモ読んでたから抜かりは無いぜ」 「……少しずつこの中に入れて」 「……次は小麦粉」 「メリー。小麦粉入れたらこねる作業だ。こねるだけなら出来るだろ?」 「……やってみる?」 「うん、やってみる」 横島はメリーをボールの前に立たせ、こね方を一通り教えると、メリーはそれに習って懸命に生地をこね始めた。 メリーがこねている間、ボールが動かないように横島がしっかりとそれを押さえている。 「まるで姉妹だな…」 二人に聞こえないような小声で、僕は呟いた。 横島には聞こえたのか、ボールを押さえている彼女と目があった。 「……………」 横島は何も言わず、すぐにボールを押さえる事に集中した。 固まった生地をラップで包み、生地を数分寝かし、それを厚切りする。 ここら辺は全部僕が担当した。 流石にメリーに鎌以外の刃物は持たせられないからな。 「あとは焼き上げるだけか…。上手く焼ければいいが」 「瞳、何分焼くの?」 「……170℃のオーブンで20分」 「…よし、セット完了。あとは待つだけだ」 「20分か…待ち遠しいなぁ」 メリーはキッチンを出て大きく伸びをする。 そして、そのままソファにもたれかかる。 「テレビでも見てるか?……あ、ゲームでもやるか」 僕は鉄板に着いてた油を直で触ってしまって、手を洗っていた。 「何がある?」 メリーの隣に座った横島が、間髪いれずに質問してくる。 「ゲームの事になると食いつきいいな…」 「…………」 横島は持ってきたマフラー?で顔を隠した。 思わず反応してしまったらしい。難儀な奴。 「箱360はすぐに用意できる。すぐ終わるのがいいよなぁ」 テレビの横のラックから、それらしいゲームを探してみる。 「あ、宇宙防衛軍があるぞ。これならメリーもできるだろ」 「……じゃあそれで」 『ピンポーン』 家の呼び鈴がなった。 来客か?宅急便か? 「ん?誰だろ。悪いメリー、用意しておいてくれ」 「はーい」 「……手伝う」 二人に後を任せて、玄関に向かう。 ここで玄関を明けて強盗だったら、何てこともある。 入られてもリビングの二人が何とかしてくれそうだが。 「はーい。どちらさーん?」 ドアチェーンをかけて玄関扉を開ける。 ドアの隙間からは、二人の…人間?が見えた。 漆黒のベストに、裏地が赤い、黒のマントを纏った見覚えのある馬鹿に似た馬鹿野郎と。 黒いフードマントを被ってニコニコした死神さん。というか咲。 「………どちらさんで?」 「ふふふ…、夜の帝王。ドラキュラだ!」 「こんちわ。死神です」 夜の帝王が昼間から外を出歩くなよ。 「何の御用で?」 僕が用件を尋ねると、二人は待ってましたといわんばかりに、声を並べて言い出した。 「「Trick or Treat!!」」 「おーい、メリー。塩もってきてー」 「貴様、西洋の妖怪に塩とは、なんと罰当たりな!!」 「あ、あとついでに110番通報よろしくー」 「警察まで!?俊二君、逃げよう!」 ドアの外がやかましくなると、メリーたちが何事かと様子を見に来た。 「あれ、咲?何その格好」 「やっほー。メリー。お菓子貰いに来たよー…、ってあれ?隣にいるの横島さん?」 「……こんにちは」 一応顔見知りである横島は、先に対して軽く挨拶を交わした。 学校では声を掛けられても無視していたが、場所が場所だからか? 「ねえ、咲なら入れて上げようよ。せっかく来てくれたんだし」 「そうは言うがな。ドラキュラも一緒だぞ?」 「ドラキュラ?」 僕はメリーたちの立っている場所から死角に立っていたドラキュラを呼ぶ。 「これ。入れるのか?」 「塩持って来る。食塩でもいいのかな?」 「いいんじゃないか?この際何でも」 「お、お前ら人間じゃねぇ!!」 どこで覚えた、そんなネタ。 「お前らに言われたくない。…ほれ、さっさと入れ」 メリーの言い分ももっともなので、咲のついでにドラキュラ伯爵も入れてやることにした。 「ふぅ…。うむ、邪魔をするぞ」 「おじゃましまーす。あれ?なんかいい匂いがする」 廊下で咲が鼻をぴくぴく動かし、辺りを探る。 「今クッキーを焼いてるんだ。もう少し待ってれば食わせてやる」 「ほう、クッキーか。頂こう」 「わぁ。楽しみー」 「やれやれ。今二人がゲームやってるから、観戦してなさい」 「よかろう」 「はーい」 まったく…。呼んでもいないのに…。 キッチンに戻り、オーブンレンジの残り時間表示を見る。 「後6分か。もうちょいかかるな」 皿も出してあるし、飲み物は…。 パックの紅茶でも出すか。 「隆一…」 「ん?どうした、メリー。…ゲームは?」 紅茶用のティーカップを出していると、メリーがやってきた。 カップでも割りに来たか?と軽口でも叩こうと思ったが、ちゃんと手伝ったメリーにかける言葉じゃないので、止めておいた。 「今、瞳と俊二がやってる」 「あいつ、あれ上手いからな…」 「何か手伝う事はある?」 メリーはキッチンに入ると、周りをキョロキョロ見回してやれることが無いか探し始めた。 「そうだな。クッキーが焼きあがったらリビングに運んで欲しい。僕はティーセット持ってくから」 「もう焼けるの?」 メリーがオーブンの中の加熱されるクッキーを眺める。 「もうちょっとね」 「そうだな。うまく焼けてればいいが。これで僕は悪戯されなくて済むか?」 「味次第ね。私が満足しなかったら、そのときは覚悟しておきなさい」 とメリーは不敵な笑みで僕を見る。 「おぉ、怖い怖い。リビングのテーブル片付けてきてくれ。あそこで食うから」 「うん、おっけー」 メリーがキッチンから出て行くと、今度は入れ替わりで横島が入ってきた。 「今度は横島か。手伝う事なら無いぞ?」 「……そう」 「………………」 「………………」 「何も喋らないで立っていられても、緊張するんだが…。何か話でもあるんじゃないのか?」 「……メリーの欲しがっていたお菓子の名前のこと」 「それなら、もういいみたいだ。横島とお菓子を作った事で満足したみたいだし」 「……そう。あと約束の報酬…」 「あぁ、そっか。今、俊二いるし、集まる日時はあいつに聞いてくれ。僕はそっちにあわせるから」 「……そう」 それだけ聞くと、横島はキッチンから出て行った。 「…オーブンは、終わってるな。どれどれ」 「焼けた?」 今度はメリーがやってくる。 今日のキッチンは騒がしいな。 「今オーブン開けるところ。来てみ」 「焼けてるかな…?」 「焦げてはいないと思う。おぉ!!」 「わあ!!綺麗な色になってる!!」 僕は慎重にオーブンからクッキーを取り出し、さらに盛り付ける。 クッキーは素人目から見ても成功とわかるほど、黄色に焼けていた。 匂いも食欲をそそる甘い匂い。どこをとっても上出来だ。 「こりゃ成功だな。メリー一枚とって食ってみ。火傷しないようにな」 「うん」 メリーが一枚、クッキーを口に運ぶと、すぐに笑顔で首を縦に振った。 「よし、メリーはこの皿を持ってリビングに。僕もすぐ行く」 「うん、ふぁかった」 「ちゃんと口の中の物を飲み込んでから行きなさい」 「ンク。はーい」 転ばないように祈りつつ、メリーの背中を見送った。 それからすぐにキッチンからは歓声が沸き起こる。 「少し遅いアフターヌーンティーと洒落込みますか」 僕はティーセットを両手にもち、活気溢れるリビングに向かった。 ――――結局半ばゲーム大会のようなハロウィンパーティは、夜になるまで続いた。 夜になると咲が用事があると言い出し、「それじゃあ俺も」と俊二。何も言わなかったが、横島も席を立った。 僕とメリーも見送りをしに玄関前まで出てきた。 「では、我は我の世界へと帰るとしよう!おお…!素晴らしき闇夜の世界よ!!」 「帰りに職質掛けられてしまえ」 家の前ではしゃぐドラキュラの格好した馬鹿に毒づく。 その様子を見ていた咲とメリーが二人して笑っていた。 「あはは。あ、突然上がりこんでゴメンね」 「ううん、咲なら大歓迎。いつでも来てよ」 「ありがとう。今度から電話するね?」 「うん。待ってる」 「よし、俺も」 そこによせばいいのに、俊二が会話に割り込んでくる。 「あんたはいい。銀の杭打ち込むわよ」 「にんにく食べさせちゃうぞー」 「それは人でもキツイ仕打ちだぞ。だがメリー。杭は銀じゃなくて白木だ」 「うるさいわね!本当に打ち込むわよ!」 やれやれ。すっかり友達同士だな。 「…………あの…」 「ん?」 横島が恐る恐る僕を呼んだ。 「………」 「………」 横島は、何も言わずそのまま僕から目をそらして、落ち着かないようにもじもじしている。 僕は横島が何か喋リ出すまで、次の言葉を待つことにした。 すると、横島はうつむき、聞こえるか聞こえないかの大きさで、話を続けた。 「……楽しかった。ありがとう…」 無口で無表情で無愛想で…。 そんな奴だけど、無感情ってわけじゃないんだな。 「そっか。僕も助かったよ。お前も今度遊びに来きなよ」 「……そうする」 「あぁ、そうそう。次からは気軽に名前で呼んでくれ。「あの…」とかじゃ不便だろ?」 ずっと「あなた」だとか「あの」だとか呼ばれるのは他人行儀でいけない。 友達なら。尚更だ。 「……ありがとう。…隆一」 「どういたしまして。ってな」 その時、横島は、一瞬。 ストールと深くかぶった帽子に隠れた自分の表情が、緩んだような気がした。 三人が帰ったあと、散らかったリビングを眺める二人。 「リビング…片付けるか。メリー」 「そうね。隆一」 そんなに荒れてはいないが、さすがに5人もいれば、テーブルに受け取り皿やコップやら食べかすやらで汚いし、ゲーム機も片付ける必要もある。 キッチンをあらかじめ片付けておいたのは正解だったな。 「メリーはゲーム機を片付けて。僕はテーブルを綺麗にする」 「おっけー」 散らかったリビングを二人で手早く片付ける。 家事手伝いが板についてきたのか、メリーが手際よくゲーム機を収納していく。 食器をキッチンに運び終えた僕は、すぐに食器洗いを開始する。 リビングもそうだが、おばあちゃんが帰ってくる前に、キッチンを片付けなければならない。 食器洗いに取り掛かってすぐに、メリーがキッチンにやってくる。 「リビングは片付いたわ。そっちは?」 「今洗ってる。水滴拭いて食器棚に戻してくれ」 「任せて」 「落として割るとか、お約束なドジはいらないからな」 「もうしないわよ」 もうしたのか?という疑問はさておき、メリーは危なげなく食器を運び、棚に並べて行く。 なるほど、日々の特訓の成果が出ているらしい。 「ん?隆一、この袋は?」 メリーは、僕がキッチンの床に放り投げておいた袋を見つけて、僕に見せた。 「あぁ、夜食にでも食おうかなって」 「夜食?………あー!!」 袋の中を覗くと、メリーは急に大声を出してくれやがった。 危なく皿を落とす所だった。 「な、何だ急に!?」 「これよこれ!!」 メリーが興奮気味に袋の中に入っていたお菓子を取り出して、僕に向ける。 「有袋類の行進曲だろ?」 ちなみにハロウィン限定版で、カボチャ味らしい。 「これが私が欲しかったお菓子なのよ!」 「マジか!?」 バターのついでに買ったお菓子が、今日のキーアイテムだったのか。 運命ってのは恐ろしいな。 「何よもう。分かってたなら先に出してくれればよかったのに。見直したわよ」 「お、おう。そりゃ良かった」 偶然買った…とは言えないな。 夕食後。 カボチャの煮っ転がしを夢に出そうなほど食べさせられた僕は、部屋に戻って胃の中のカボチャの消化を待ち続けていた。 そんな事もお構いなしに、クッションに寄りかかって、幸せそうにご所望のお菓子をパクパクと口に放り込んでいるメリー。 「はぁ~。やっぱり。トリックアトリートって便利な言葉だわー」 「一年で一度きりだけどな」 「でも不思議よねぇ、これ、私のお菓子強奪法と手口が似てるのよ」 「似てるって、どういうことだ?」 「昔…生きてた頃ね?私も、「お菓子をくれなきゃ、悪戯するぞ」って近所の人脅かしてお菓子を貰ってたのよ。…もちろんハロウィンの日にね」 「…ほう、悪ガキだな」 「うるさいわね。近所の人も、可愛いって言いながら、たくさんお菓子をくれたのよ。そしたら、周りの友達も真似し始めてね?」 「今のメリーがやったら、間違いなく脅迫だな。もうするなよ?」 「しないわよ。隆一以外にはね?」 「…次は分かりやすいヒントを出してくれよ?」 「考えておくわ」 俊二よ。稀に見る秀才ってのは、案外近くにいるのかもしれないぞ。 食い意地の張った一人の女の子が、秀才と言えるかは、別としてな。 感想など 最後に、不良に向かって「・・・私メリーさん。今あなた達の前にいるの・・・」とか言わせてみたい -- (砂) 2010-02-26 19 45 45 名前 コメント すべてのコメントを見る
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喫茶店、追加デート会話(親友愛情)『男の人って』 『異性の好みについて』 『ドキドキする時って』 『女の子らしさについて』 『片思いについて』 『恋してる?』 『キスについて』 『スキンシップについて』 『男女の友情って』 喫茶店、追加デート会話(親友愛情) ●●「……ところで、琥一くん。 琥一「あ? 『男の人って』 ●●「男の人って、 わかんないな…… 琥一「……どうした? ●●「ときどき、なに考えてるのか わかんなくなるよ…… 琥一「……いいか? ●●「うん。 琥一「本気で惚れてんならな、 ヤツのことを とことん信じてやれ。 ●●「でも…… 琥一「でもじゃねぇ。 ちょっとやそっとで、 揺れんじゃねぇよ。 ●●「うん…… 琥一「オマエまでそんなじゃ、 俺は…… なんでもねぇ。 ●●(琥一くん……) 『異性の好みについて』 ●●「男の子に好かれる女の子って どんな子だと思う? 琥一「おい…… どした? 穏やかじゃねぇな。 ●●「どうすればもっと 好かれるのかな…… 琥一「オイ! ●●「わっ!? ……なに? 琥一「今のオマエが 気に入らねぇって、 言ったのか? ●●「べつに、そういうわけじゃ…… 琥一「そうか…… 悪ぃ、デケェ声出して。 ●●(琥一くん……) 『ドキドキする時って』 ●●「男の人が女の子に ドキドキするのって、 どんな時? 琥一「なこと、 俺に聞いてどうすんだ。 ●●「それは、 参考になるかなって…… 琥一「ならねぇよ…… そんなもん。 ●●「やっぱり、人それぞれ? 琥一「まあな。 そういうことにしとけ。 ●●「しとけって? 琥一「しつけーぞ。 ●●「ゴメン…… 琥一「悪ぃとは思う。 けど、そんなこと 今の俺に考えさせねぇでくれ。 頼む。 ●●(琥一くん……) 『女の子らしさについて』 ●●「どうしたら、もっと 女の子らしくなれるのかな…… 琥一「女らしくねぇって、 言われたのか? ●●「わたし…… 琥一「オマエは、いい女だ。 俺が保証してやる。 ●●「うん、ありがとう、 琥一くん…… 琥一「おう、言ってやれ、 俺がそう言ったって。 だからいい女だって。 琥一「そんでもガタガタ つまんねぇこと言いやがるなら そん時は、俺が…… 琥一「俺がぶん殴ってやる。 そう言っとけ。 ●●(琥一くん……) 『片思いについて』 ●●「片思いって、やっぱり つらいね…… 琥一「………… ●●「琥一くん? 琥一「オマエの口から、 そんなセリフ 聞かされたくねぇよ。 ●●「わたし、 なんか気に障る事…… 琥一「チッ…… ●●「ごめん…… 琥一「謝んな。 テメェの器の小ささに、 舌打ちしただけだ。 ●●(琥一くん……) 『恋してる?』 ●●「ねぇ、 琥一くんは、恋してる? 琥一「………… ●●「ごめん…… 変なこと聞いて。 琥一「そうじゃねぇ。 ただ…… ●●「……? 琥一「もし、いま俺がそれに 答えたとして、 誰か得するヤツがいんのか? いねぇだろ。 琥一「やめだ、こんな話は。 ●●(琥一くん……) 『キスについて』 琥一「あのね、 琥一くんは、 キスってどう思う? 琥一「さあな。 ●●「琥一くんの考えを 聞きたいなって—— 琥一「俺がどう思おうと、 そんなこと カンケーねぇだろうが。 ●●「琥一くん…… 琥一「俺がやめろって言ったら、 やめんのか? じゃ、やめちまえ。 ついでに そんな浮っついてんなら—— ●●「ゴメン…… 琥一「そりゃ、俺のセリフだ。 ……悪かった、忘れろ。 ●●(琥一くん、 傷ついてるみたい……) 『スキンシップについて』 ●●「琥一くんは、 スキンシップって どう考えてる? 琥一「あぁ、 まあいいんじゃねぇか? 好きあってんならよ。 ●●「うん…… ねぇ、なんか怒ってる? 琥一「怒ってる? 俺が? なんでだ。 ●●「ううん、 そんな気がしただけ。 琥一「……悪ぃ。 スキンシップな? まあ、そうだな…… ●●「うん。 琥一「あんまり、刺激すんな。 相手も男だからな。 ●●「そっか、気をつける。 琥一「そうしろ。 万が一、相手が妙な気 起こしやがっても、俺は、 一緒にいてやれねぇから。 琥一「だからよ、 ほどほどにしとけ。 ●●(琥一くん、 ありがとう……) 『男女の友情って』 ●●「琥一くんは、 男女の友情って あり得ると思う? 琥一「さぁな…… どうだろうな。 ●●「やっぱり、難しいのかな…… 琥一「まあ、ガキの頃よりは、 ややこしいみてぇだな…… 最近な、ガキの頃を思い出す。 ●●「子供のころ? 琥一「俺とオマエとルカ、 三人で、何にも考えねぇで 日が暮れるまで遊んでた。 ●●「うん、そうだったね。 琥一「あの頃は、 こんな日が来るなんて、 考えもしなかった…… ●●「琥一くん…… 琥一「いつまでも ガキのままじゃねぇ。 わかり切ってたのにな。 ●●(子供のままじゃ、 いられない、か……)
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ep.677【考察求む】「意味がわからない怖い話」【石集め】【方言?】 放送内容 Kimuraの実家 関連エピソード → ep.543 恐怖実話体験談!本当にあった怖い話「ドアノブ」「おむかえ」 数珠繰り 関連エピソード → ep.551 恐怖実話体験談!本当にあった怖い話TWITTERのDMに来た怖い話「コンビニの駐車場」「内覧」「神様の通り道」 参加メンバー Tomo Kimura その他 登録されたタグ Kimuraの実家 Kimuraの母方の祖母 Kimura企画 いじめ ど忘れ のんほい アルバイト イオン豊橋南店 エビフリャー ゴミ袋 ジャスコ リサイクル業者 三河弁 名古屋市 呪い 呪い返し 土葬 墓地 墓地墓地 失踪 奇石 平安時代 店長 念珠繰り 数珠 方言 旅行 有線電話 村 東京都北区 東名高速道路 沖縄県 清川村 百万遍数珠 相模弁 着物 石 神奈川県 私名乗りましたっけ? 秦野市 自殺 遺品整理 野依町 釣り 防災無線 集落 ⇐PREV NEXT⇒ 名前 コメント すべてのコメントを見る
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名前: さきわれすぷーん 検索: 鳥海浩輔, 先割れスプーン, 脇坂敦郎 ⇒まとめて検索? Dessert Love 〜彼とのはじまり〜 咎狗の血 星の王女〜宇宙意識に目覚めた義経〜 星の王女〜宇宙意識に目覚めた義経〜18禁追加ディスク 絶対服従命令 脇坂敦郎 鳥海浩輔 ?